今回はフランスの漫画「バンド・デシネ」についてご紹介します。
日本の漫画との違いはあるのでしょうか?
その特徴について書いていきます。
バンド・デシネとは?
バンド・デシネとはフランス語圏のマンガのことで « bande dessinée » (B・D)と綴ります。
フランスでは第九の芸術と称されるほど、そのオブジェ性・アート性が評価されています。
フランスのバンド・デシネで代表的なのはやはり『タンタンの冒険』でしょう。
バンド・デシネは最初、日本ではそこまで普及していませんでしたが、ここ数年で人気が上昇しています。
世界中の優れたコミック作品を国境を越えて紹介するプロジェクト「コミックカタパルト」のサイトでも一部のバンド・デシネが配信されています。

「ソク読み」を運営するデジタルカタパルトがお届けする新しいコミック・レベール - Comic Catapult - 当社…
日本の漫画との違い
では、バンド・デシネは日本の漫画とどう違うのでしょう?
大まかに3つの違いがあります。
- サイズ
- 仕様
- 刊行ペース
それぞれ詳しくみていきましょう。
サイズ
まず見てわかる違いはサイズです。
日本の漫画は基本的に、新書版あるいはB6のものが多いと思います。
これに対し、バンド・デシネはA4かそれよりも大きいです。
日本の漫画はコンパクトですが、フランスのバンド・デシネはやや大きいのが特徴です。
仕様
次に異なる点は仕様です。
バンド・デシネのページ数は48~64ページ程度。
日本の漫画はソフトカバーでモノクロなのが多い一方、バンド・デシネはハードカバーでオールカラーのものが一般的です。
この48ページ、オールカラー、ハードカバーのバンド・デシネを48CCと表します。
バンド・デシネは漫画というよりも、絵本みたいなイメージです。
刊行ペース
3つ目の違いは、刊行ペースです。
日本の漫画のように毎週本誌で掲載、単行本は数ヶ月に1冊というペースと異なり、フランスのバンド・デシネの刊行ペースはゆったりしています。
一年に一冊あるいは数年に一冊というペースです。
また、フランスに漫画雑誌が現在時点でないため、バンド・デシネは最初から単行本で出版されます。
バンド・デシネは芸術作品という面が強いため、時間をかけてじっくり制作していく傾向があるようです。
その分、ストーリーの間延びや無理な展開の仕方はあまりありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はフランス語圏の漫画バンド・デシネの特徴についてまとめました。
日本の漫画と比べてみると違いがあって面白いと思います。
一方で、フランスのバンド・デシネと日本の漫画はどちらも扱うジャンルは様々です。
アクション、SF、ヒーロもの、ファンタジー、歴史もの、エッセイ、ルポルタージュ、文学原作、子供向けなど多岐に渡ります。
それぞれの特徴は異なりますが、いずれも多様な世界観を描いているという点では共通しているのではないでしょうか?
これを機に、バンド・デシネを手に取ってみてはいかがでしょう?
\おすすめ書籍・コンテンツまとめ/
参考文献:閲覧日(2021年2月14日)
\あわせて読みたい/
フランスでは日本の漫画が大人気です。 « manga » は今やフランス人の誰もが知る言葉となっています。 それはなぜでしょう? 今回は、その理由について書いていきたいと思います。 あき フランスと日本[…]
2020年1月30日から2月2日の間、アングレーム国際コミックフェスティバルが開催されました。 ファンにとって、このイベントは世界中の漫画家に会う絶好の機会です。 ところでみなさんは、誰が最初のマンガをが発明したか知っていま[…]
フランスを代表する不朽の名作『星の王子さま』のまんが版が小学館から発売されました。 翻訳・文はフランス文学者の奥本大三郎さん。原作の訳を担当した方として有名です。 また、彼の代表作として『ファーブル昆虫記』があります。 […]
近年、フランスで「お弁当」が人気を博しています。 当記事では、フランスで「お弁当」が浸透した理由と背景について説明します。 \こんな人に読んでほしい/ フランスのお弁当ブームについて知りたい 日本ブームって具体的にどん[…]