フランスのBIO(オーガニック)とは?BIOの意味とオーガニック市場の現状について

近年、フランスで「BIO(ビオ)」と表示された商品をよく見かけるようになりました。

BIOとはオーガニックのことで、オーガニック志向の人が増加したことから、有機農産物を取り扱う大手スーパーやBIO専門店が増えています。

そこで、今回は、フランスのBIOへの取り組みについて紹介したいと思います。

BIOとは?

BIOとは一言で表すとオーガニックのことです。

元来の意味は、「オーガニック=有機」ですが、そこから派生して「農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法」を指します。

それでは、なぜオーガニックがいいのでしょうか?

オーガニックの目的はシンプルに「食品の安全性を高めること」です。

BIO商品のジャンルは幅広く、例えば、野菜、肉、果物、乳製品、ワインやビール、お菓子、レトルトなどの加工食品、衣類、化粧品、建築資材…など多岐にわたります。

その中でも緑の「AB」ラベルは « Agriculture Biologique »の略でフランス農務省認定の「有機農産物認定」を意味します。

このラベルは、「農薬を一切使用せず自然のままに栽培されたもの」につかられます。ABラベルは、国民の95%に認知されているというから驚きです。

出典:Agence BIO

さて、このABラベル、基準は諸外国よりかなり厳しいそうです。

例えば…

・土壌基準:農薬を使用していた場合、3年間かけて農薬残留物のないのうちに転換
・殺虫剤や化学肥料は不使用
・遺伝子組み換えはNG
・動物の飼育環境の規制(乳製品や肉)

フランスにBIOが普及するまで

BIOがフランスで公に紹介され始めたのは1970年頃です。しかし、オーガニック農法の原型が提唱されたのは、19世紀まで遡ります。


☆オーガニック農法の原型理論
・バイオダイナミック農法:自然と宇宙と調和した循環型有機農法(ルドルフ・スタイナー)
・オーガニックファーミング:自然に基づく、化学肥料や農薬に頼らない東洋的手法(アルバート・ハワード)
・有機生物学農法:先ほどの2つを融合させ発展させた農法(ハンス・ミュラー)


これらの動きにより、BIOが普及すると思われましたが、第二次世界大戦が勃発。

そして、戦後の食料大量生産政策による土壌・水質汚染が蔓延する世の中に変貌したのです。

これを受け、農業の在り方を問い直す意識が高まりました。

そして遂に、1970年代にBIOがフランスで紹介され、1980年代にはフランスでBIO認可制度が法制化しました。

そして近年、食の安全への関心が高まりをみせ、2007年に次のような目標が設定されました。


目標1:2012年までに有機農業の割合を6%へ
目標2:2020年までに有機農業の割合を20%


結果的にこれらは達成できませんでしたが、この10年でBIOのうちは2倍以上、BIO農業従事者も1.5倍以上に増加しています。

また、市場規模は約40億ユーロで、4倍の成長率です。

この結果を見ると、数年でBIO市場が急速な成長を遂げていることは明らかです。

BIOの普及とともに、商品価格も以前より割高感はなくなってきたそうです。

例えば、野菜・果物で通常商品の1.2~1.5倍程度。

農業大国であり、BIO大国であるフランスの今後の動向に注目です。

日本のオーガニック事情

フランスでのBIOに関する社会的ムーブメントは日本にも影響を与えています。

最近はオーガニック商品コーナーも一部ちらほら見かけるようになりました。

しかし、まだ普及しているとは言い難い状況です。ネックなのは価格。

まだまだBIOが普及していないことから、BIO商品の価格は高いです。

例えば、オーガニック認証マークである「有機JA認定マーク」を得るためには、年間10~20万もの費用を必要とします。

またオーガニックの認証を得るためには、さまざまな規制があり、それらをクリアするのに手間と時間とコストがかかります。

有機JAマークがいまだ一般化していない日本で、大きなコストに見合ったリターンは期待できず、認証取得には積極的でない農家も多いというのが現状です。

このように、日本はまだまだオーガニック関連の法整備も整っているとは言えません。

この現状を知る人が増え、オーガニックに対する意識が高まれば、状況は変わる可能性があります。

フランスと日本の食文化

フランスと日本の食文化には共通する部分があると思います。

それは「他国の料理文化を取り入れ新しい形に進化させてきた」という点だと思います。

自国の料理を極めるのは当然ですが、その一歩先をゆき、新しいことを吸収する土台を積極的に築いてきました。

こうした「食」に対する情熱はフランスにも日本にも共通する点ではないでしょうか?

一方、フランスでは「食や土壌の安全性に対する意識・関心」が一段と高い傾向にあり、BIOの普及に繋がったとみられます。

しかし、国によって環境や食を取り巻く状況は異なります。

オーガニック認証に限らず、日本も独自の食文化を活かし、自国にあった形で「食や土壌の安全性に対する意識・関心」を高めていければ良いのではないでしょうか?

それがSDGsの「持続可能性」に繋がるはずです。


参考文献1:農業大国フランスのBIOへの取り組み

参考文献2:BIO先進国フランスの食文化に触れる<前編>

参考文献3:BIO先進国フランスの食文化に触れる<後編>

参考文献4:フランスのビオ(Bio)市場は右肩上がり!?その理由について迫ってみました

参考文献5:健康志向!フランスで今流行のBIO(オーガニック)専門ショップへ行こう

参考文献6:フランスのオーガニック事情

参考文献7:Q&Aでオーガニックを知ろう!

参考文献8:オーガニックの価格が高い理由、有機JAS認定と日本の現状

参考文献9:「オーガニック後進国」日本の残念すぎる事実


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