フランスで成功した少子化対策を踏まえて日本の少子高齢化について考える – 新しいことにオープンであること、変化を恐れないことの重要性

フランスでの出生率について調べていたところ、下記の記事を見つけました。

出生率が上がった。フランスが少子化を克服できた本当の理由って?|ハフポスト

フランスの育児システムについてレポートした『フランスはどう少子化を克服したか』(新潮新書)を上梓した髙崎順子さんと、作家・少子化ジャーナリストの白河桃子さんの対話から、少子化脱却のための方法を探るという内容なのですが、非常に鋭い考察と心に刺さる言葉が多く大変参考になりました。

これを踏まえ、当記事では、日本の少子化・出生率低下について、これにまつわる問題点と解決策について考えていきたいと思います。


■こんな人に読んでほしい
・日本の少子高齢化問題解決策について考えたい
・フランスの出生率向上から学ぶことがあるはず
・仕事と子育てについて改めて捉え直したい


【1】日本の少子化の現状と解決案

内閣府が発表している都道府県別合計特殊出生率の動向を見てみると、下記のグラフの通りで、2016(平成28)年の全国の合計特殊出生率は1.44となっています。

グラフを見る限り、少子化の勢いが加速していることは、明らかです。

このままでは、日本は超少子高齢化の状態から抜け出せず、様々な問題が生じてきます。

具体的な問題点は下記内閣府HPに掲載されています。

人口急減・超高齢化の問題点|選択する未来-内閣府

簡単にまとめると下記4つの問題点が指摘されています。


■少子高齢化社会の問題点
1. 経済規模の縮小 – 労働人口の減少による経済へのマイナス負荷
2. 成長力の低下によるワーク・ライフ・バランスの崩壊 → 出生率減少加速という負のスパイラル
3. 地方圏から東京圏への急激な人口流入 – 地方自治体システムの崩壊と大都市システムの圧迫
4. 社会保障制度と財政破綻のリスク増加


これらから読み取れる点は、若年層数の急減が引き金となり、社会に負担がかかることによる負のスパイラルが巻き起こす問題が大きいこと。

この問題点はそれぞれリンクしていて個別に解決策を提案しても、現状の打破は難しいということ。

フランスが出生率向上に成功したように根本的原因を潔く認め、大改革を行えば解決できる可能性があるが、日本の財政状況を考えると育児支援のような社会保障を充実させる余裕はない。

そのため、別のアプローチが必要になるということだと思います。

フランスのように、『男性の産休』によって「男性を家庭に返す」ことから始め、男性が産休を終えたあとも、政府が家庭の経済面を全額保障という形で全面的にサポートすることで、仕事をしながらでも、安心して子育てができる環境を整えたことは、異例の業績であり、ここから学ぶことは多くあります。

一方、男性の育児参加が進みつつあるとはいえ、「育児は母親」という考え方まだまだ根強く、女性への負担が大きいという現状は否めません。

ここである本をご紹介させていただき、子育てにおける新たな考え方について共有したいと思います。

落合陽一著『日本進化論 人口減少は史上稀なるチャンスだ!』において、子育てというテーマにおける議論では下記のような記述があります。

これからの時代、「子育ては親の仕事」ではありません。地域社会で子育てできる、デジタルベースの新しい”町内会”的コミュニティをつくっていくことが必要となるのです。

『日本進化論 人口減少は史上稀なるチャンスだ!』より引用

これはどういうことかというと、従来の「子育ては親の責任」という価値観を捨て、社会全体で子育て支援を進めようという趣旨の内容で、祖父母や地域コミュニティのつながりが強かった戦前の日本社会で近所の子供の面倒を助け合いながらみていたように、現代社会で生まれた「新しい信頼関係」の力を借りて子育て支援を行なっていきましょうということです。

解決案として下記の2つの方向性が挙げられています。


■子育て問題に対する解決案
1.手が空いている人材に子供の面倒をみてもらえる仕組みをつくる
2.隣人たちと共同で子育てに携われる地域コミュニティの再構築


まず1つ目の方法は「キッズライン」のような、ITを使ったベビーシッターのマッチングサービスのような仕組みの活用です。

これはWeb上で「信頼」が可視化できるようになったことによる恩恵だと述べられています。

2つ目は、「勤労世代が高齢者を支えなければならない」という考え方を「高齢者が勤労年代を支える」という発想の転換だと述べられています。

確かに高齢者が時間の一部を使って、「ベビーシッター」をしてくれたとしたら、若者の負担は減り、世代間の助け合いの関係が生まれます。

これは少子高齢化に対抗する画期的で斬新な発想で、共有しておくべきだと思い、簡単にですが本著の内容をご紹介させていただきました。

なお高齢化に関する議論も本著でなされておりますので、気になる方は、ぜひご参照ください。

ここで本論に戻りたいと思いますが、フランスの取り組み然り、落合氏の提案も然り、出生率を向上させるには、やはり子育ての支援は切っても切り離せないテーマであり、従来の固定観念を覆す画期的で斬新な発想が必須になってくると思います。

そのためにできることは、「新しいこと」に対してオープンであること、変化を恐れないことが必要だと思います。

何かを変えるには改革が必要です。

ですが、新しいことをやろうするとそれに値する反発や拒絶反応がでてきます。

このように新たなテクノロジーに対する拒絶のことを「テクノフォビア」と言いますが、このような状態は大抵根拠のない理論や空想によるものが多いのです。

良い例が、インターネットが台頭した時代に、「こんなものは何の役にも立たない」と批判した人々ですが、いつの時代においてもこうした誤解・誤認識による反発は起きています。

そうした考えに陥らず、冷静かつ論理的に何が必要なのかを見極める肌感がこれからの時代に求められるのではないでしょうか?

私自身もそうした感覚を磨いていきたいと思います。

この記事が皆様の参考になれば幸いです。

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