日本の未婚・晩婚化が進んでいるという現状には、様々な要因があります。
内閣府調査によると、若年層の未婚男性からは「経済的な余裕がないから」、未婚女性からは「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」という意見が多いそうです。
このように、男女で結婚を決心する状況に差がみられていますが、未婚男女の7割が「結婚したい」と回答したそうです。
結婚はしたいが、そうできない状況にあるということがうかがえます。
未婚男性の「経済的な余裕がないから」というのは、日本企業の年功序列制による給与所得格差の影響が大きいと思いますが、未婚女性の「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」というのはなにか解決策があるように思われます。
一方フランスでは、« PACS » という制度があります。
この記事では、この « PACS » についてご紹介します。
\こんな人に読んでほしい/
・フランスの結婚事情について知りたい
・« PACS » とは?
・自分の価値観に従って生きたい
フランスの « PACS » とは?
« PACS » (パックス)とは「民事連帯契約」というもので、婚姻より規制が少なく、単なる同棲(事実婚)よりは法的権利がある契約のことです。
この契約とは共同生活を営むカップルが対象で、同性・異性を問いません。
この « PACS » ですが、「同棲」以上、「結婚」未満のような関係とも言えるでしょう。
手続きも比較的容易なので利用するカップルが増えているそうです。
特に、フランスでは結婚の手続きが面倒で、仮に離婚する際も、弁護士を雇う必要があったり、裁判に時間がかかったりするので、この « PACS » は受け入れられ易いのかもしれません。
« PACS » では、離婚の際には両者の同意は不要で、片方の通告のみで良いとされています。
この制度の興味深いところは、当事者自身が相互の権利と義務の関係を定め、契約内容にした契約書を自由に作成し、それを裁判所に提出し公証されれば、効力を持つということです。
お互いの納得する内容で取り決めをすることができると言うのは自由度がかなり高いと思います。
もともと同性カップルのことを考慮して作られた制度ですが、異性カップルの利用者の方が多く、結婚前の様子見として利用するケースもあるのだとか。
また、「婚姻」はせず、一生 « PACS » というで十分というケースもあり、一概に「PACS = 結婚」とはいえないため、やはりカップルによって付き合い方の形は様々だと言えるでしょう。
「婚姻」と « PACS » どちらがいいかは本人たち次第です。
選択肢が多いということはそれだけ融通が効くと言う点で、お互いにメリットだと思います。
ですが、お互いが納得する形で進めるのがベストだと思います。
また、結婚だけが幸せの象徴という画一的な考え方は古くなってきているのではないでしょうか?
幸せの形は多種多様になってきています。
そして、それが日本の未婚・晩婚化という現状に現れているのではないでしょうか。
個人の価値観が変化し始めている今、それに応じて柔軟に法律を整備していくことがこれからの社会に求められているのではないかと思います。
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