フランスの日曜日といえば、お店は完全にお休み、家族とゆっくり食卓を囲んで過ごす日でした。
そのため観光客にとって、日曜の過ごし方といえば郊外の蚤の市や美術館、映画館、公園に行くくらいしか選択肢がありませんでした。
ところが近年パリで日曜営業するお店が増えているそうです。
当記事では、パリの日曜営業についてご説明します。
\こんなあなたに読んで欲しい/
- パリでの日曜日の過ごし方を知りたい
- 「安息日」とは?
- 今後の動向は?
今までの日曜日の過ごし方

キリスト教で日曜日は「安息日」で、「何も行ってはならない日」とされています。
そのため日曜日は、基本的にほぼ全てのお店はお休みです。
なので、フランス人は土曜のうちに買い物を済ませるのだそうです。
一日の過ごし方といえば、家族で食卓を囲み数時間かけてゆっくりと食事を楽しむというものでした。
日曜営業を始めたお店(パリ)

百貨店の「プランタン」、「ギャルリー・ラファイエット」、「ル・ボン・マルシェ」などは日曜営業を開始しました。
特に、ギャルリー・ラファイエットではファッションのみでなく、グルメを楽しめる食品フロアやフードコートも併設されておりますので、食の旅を満喫することができます。
また15区にあるBeaugrenelle(ヴォーグルネル)やルーヴル美術館に併設されたCarrousel du Louvre(カルーゼル・デュ・ルーブル)、市内中心部の地下ショッピングモール、Forum des Halles(フォーラム・デ・アル)などもおすすめです。
スーパーのCarrefour(カルフール)、Franprix(フランプリ)、Monoprix(モノプリ)の一部は9:00 – 13:00限定で営業している場合があるそうです。
マレ地区ではほとんどのお店が営業しているため、周辺でゆったりと過ごすのもおすすめです。
日曜営業に踏み切った背景

近い将来フランスのGDPは大きく転落すると予想されています。
この状況を受けて、エマニュエル・マクロン大統領は2015年に日曜・深夜営業の規制緩和を含む法律を制定し、労働市場の活性化を図りました。
これに対し、フランス市民からは次のような声が上がっています。
「日曜に店を閉めるなんて時代遅れだ」
「フランスの伝統的なライフスタイルが失われてしまうのでは?」
このように、日曜の労働に関して賛否両論ありますが、これからの将来を考えると必要な施策なのではないでしょうか。
今後の動向に注目です。
まとめ

伝統文化を重んじるフランスで、今回のようなライフスタイルに大きく影響を与える施策が行われたことは衝撃でした。
しかし、時代は日々変化していくため、それに合ったスタイルを確立し適応することが求められます。
これは、伝統を壊すということではなく、日々の暮らしをよりよいものへとアップデートするという感覚に近いため、徐々に受け入れられてくる流れだと思います。
ちなみにこうしたフランスの文化社会的側面を学ぶには『Read & Think French』がおすすめです。
全部フランス語なので、辞書が必要になると思います。
しかし、フランス文化に関する数少ない書籍です。
内容は、大変面白く読み応えがあると思います。
フランスに興味があればぜひ手に取って見てはいかがでしょう?
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